森です

前回はインドの動画をアップしました。
今回もインドの話です。

さて
旅に出会いは付きものです。
インドを旅するバックパッカーたちにも
素敵な出会いが訪れます。

「旅人をダマそうとするインド人」
との出会いです。

一度インドで自由旅行をすればあなたも、
旅人を騙してお金を巻き上げてやろうという輩
と出会えます。

彼らに会うのは難しくありません。
普通に旅をしていれば確実に会えます。

どれぐらいに確実なことかといえば、
「海の潮が引けば砂から蟹が這い出てくるくらい」
「都知事選になればドクター中松が出馬するくらい」
それくらい確実に、
「旅行者をぼったくってやろう!おー!!」
というインド人に出会えます。

だからインドに入ると旅人は、警戒心のギアを一段上げます

さて
インド人たちはツーリストを狙って、
あの手この手を使い騙し、ぼったくろうとします。
だからツーリストは、彼らの「あの手この手」を予習しておく必要があります。
みすみす食い物にはされません。

彼らの手口はおおむね単純です。
マニュアル通りに仕掛けてきます。
手口さえ知っておけば切り抜けることができます。

今回は実例としてバラナシ(Varanasi)で
リキシャーの運転手が私を騙そうとした手口をご紹介します。

7月のインドです。
デリーから鉄道でバラナシに到着しました
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バラナシ駅をでると、たくさんの客引きが声をかけてきます。

宿の勧誘やタクシーやリキシャー(人力タクシーのこと)
ツアーやガイドの申し出などなど。
たくさんのインド人が近寄ってきます。
セレブになったようです。

彼らは視界のはじっこから、スススッと近よってきます。
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「ハローマイフレンド。こっちこっち」
と言いながら近づいてきます。
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断っても強引に「いいから、いいから」と
眉間にしわをよせて、タクシーやリキシャーに誘導するインド人もいます。

声をかけてくる彼らが善良なインド人か、悪いインド人か、
あるいは善良だけど旅行者をダマそうとするインド人(←インドだとこの表現は矛盾とはならない。不思議の国)か、わかりませんが
インドやその他、悪だくみする人間が多い国では、
駅やバスターミナル、観光地で向こうから親しげに
声をかけてくる人は拒みましょう。

必要なときだけ、自分で人を呼びとめるのが良いです。

タクシーでもリキシャーでもガイドでも、
自分が選んだ人物なら、ボラれたり騙されたりしても、
「俺の見る目がなかった」
と、あきらめがつくものです。

さてバラナシです。
大通りまで出て流しのリキシャーを呼びとめました。
リキシャーとは人力車のことです(語源は日本語の「人力車」から来ている)
タクシーよりも料金が安く、近距離ならリキシャーが便利です。

目的地は、安宿が集まっている地域です。
安宿が多くある地区の郵便局まで行ってもらうことにしました。

値段交渉をして乗車します。
行き交うたくさんの乗り物、騒音、土埃によごれた道路や建物の壁。
熱気と湿気。
インドの夏です。
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ごった返す車道でベルを鳴らしながらリキシャーは行きます。
リキシャーの上からとった動画。
この運転手に注目。このあと私を騙そうとする人です。


目的地まで半ばで、運転手がリキシャーをとめました。
「どうしたの?」と訊きます。
すると運転手は振り返り
「おまえはどこのホテルに行くんだ?」
と訊いてきます。

「郵便局の近くのホテルだから、郵便局まで行ってくれればいいよ」と私。

「いや、目の前までつれていってやるから、ホテルの名前を教えてよ」と運転手。

「いや、いいから行ってよ」
「いや、教えてくれよ」
彼がやたらホテルの名前を知りたがる(怪しいポイントです)ので
私はガイドブックから適当なホテルをひとつ選んで、その名を言いました。

すると運転手は
「おい。今日そのホテルは満室だぜ
と言ってきます。

その瞬間にインドで有名なダマしの手口を思い出しました。

旅行者をカモにする気満々のリキシャーやタクシーのドライバーは
旅人が泊ろうと思っているホテルを聞き出すと、
「おい、そこは今日満員だぞ」
と言ってきます。
続けて
「心配するな。俺が知っている宿は安いしビューティフルなところだから、そこを紹介してあげるよ」
と言い、自分の知り合いの宿に連れて行きます。
そういった宿は、だいたいボッタクリの価格設定をしています。


私が乗っているリキシャーの運転手もやはり
「俺がいいホテルを知ってる」と言ってきました。
手口がわかっているので慌てません。

「なるほど、俺が行こうとしてるホテルは満室なのね?」と私。
「うん。満室」
「じゃあ賭けをしよう。とにかくさっき言ったホテルまで行ってよ」
「でもそこ、満室だぜ?」
「だからもしホテルに行って満室だったら、あんたに100ルピーあげるよ」
「100ルピー!?うんうん」(←100ルピーと耳にして嬉しそう)
「だけどもし、ホテルに空室があったら俺に100ルピーくれよ」
「え?」
「な、それで勝負しよう。あんたにはいい勝負だろ。どうする?」
私が訊くと
彼はこう答えました。
「・・・1分間考えさせてくれ」
と。
彼は濃い眉毛にしわをよせて考えだします。

真剣に悩む子供みたいです。
あまりに真剣なので、なんだかおかしくなってきて、
からかいたくなってきました。
「なんで悩むのさ。あんたにとっていい勝負じゃないか。ホテルは満室なんだろ?」
「ちょっと待って。考えてるから」
「さあ、行こうぜ」
「だから、まてったら」

彼はきっとこんなふうに考えていたことでしょう。
「果たして俺の企みは、こいつにバレているのだろうか」
「こいつの言うホテルに行って運よく満室だったら100ルピーもらえる。
でも空室があったら100ルピーとられる。どっちの確率が高いんだろう」

「・・もしかしてあんた、ホテルに予約とってるのか?」と運転手。
「とってないよ。さあ、いこうぜ」
「・・・」

私はきっと、ホテルに空室はあるだろうと思っていました。
ハイシーズンでもないし、有名な宿でもないですし。

たとえホテルが偶然満室だったとしても、損をするのは100ルピー(約200円)です。
最悪なのは、このまま運転手の紹介する宿に連れて行かれることです。

運転手は考えます。
その間、チラチラとこちらを伺って、私がなにを考えでいるか探ります。

そして1分が経過

彼の出した答えは
「ソーリー」
でした。
運転手は、私がこの手口について知っていると判断したようです。

「郵便局だったな」
運転手は再び梶棒をにぎって走りだします。

「こいつ、何事もなかったかのように・・・」
憎たらしく思った私はそのあとも、
「なあ、どうして勝負しないんだよ。勝てる勝負なんだぜ」
と、背後からチクチクいじめてみました。
そのたびに、
「だからゴメンって言ってるだろ」
と運転手は声を返してきます。

根はいいやつなのだと思われます。

そのあと、運転手が郵便局の場所を知らなかったことが判明しました。
たっぷり迷って、郵便局に到着まで予定よりかなりの時間を要した。

約束のお金を払うと彼は言う。
「なあ、もう少しくれよ。これだけの時間がかかったんだから」
「だめだよ。郵便局の場所知ってるって言ってたのに、知らなかっただろ」
「だってさあ・・」
彼は眼で懇願してきます。
私は「じゃあ」と言って別れました。

駅から宿に行くだけで、こういうことがあります。
それがインドです。

日常から離れて気分転換をしたい方は
国内でゆっくり温泉もいいですが、
ぜひインドに行ってみてください。
日常をすっかり忘れられますよ。

そして帰国したら日常を見る目も変わっているかもしれません。
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次の旅まであと15日。
今回はこれで。
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コメント

いやぁ…臨場感あふれるレポートありがとうございました。
「ソーリー」の時の男性の表情まで見える気がしました。

それにしてもソーリー後もしつこく話を続ける森さんは
さすがです(笑)

今回のたびでもしつこくずぶとく
インドでブイブイいわしてくださいませ!

Re: タイトルなし

次回の旅もずぶとく、したたかに行きます!
命の危険のない程度に。

URL | 森たくや ID:-

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