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森です

中央アジアの最貧国(失礼な紹介!)・タジキスタン
短期旅行者はまず訪れない、そんな国です。

さらに、
時間のある長期旅行者でも、
「まあ、タジクはいいかな」
と言ってスッ飛ばすこともある、そんな国でもあります。

タジキスタンが中央アジア観光の
ファーストオプションに(あるいはセカンド・サードオプションにすら)
ならない理由として考えられるのが、

①著名な遺跡がない。
②自然が険しく、公共交通機関が乏しく、他国より移動に時間と費用がかかる。
③なんか情報少ないし、めんどくさそう


などがあります。

そういったネガティブな要因を踏まえてもなお、
タジクに行こう
と胸躍らせる旅人も、やはりいます。
そんな彼らの目的はおおむね以下の二つ、

パミールハイウェイと、
ワハン回廊
です。

パミールハイウェイは「世界の屋根」と言われる
標高4000メートルを越える高原地帯。

そしてワハン回廊は、タジキスタンとアフガニスタンとの国境を成す
数百キロにわたる渓谷のことです。

そんなタジキスタン観光のハイライト二ヵ所に行ってきました。

今回はそのうち、パミール高原の様子をお届けします。


「世界の屋根」
なんとも心躍るネーミングですね。

この屋根に登るにはちょっとした時間と費用がかかります。

詳しい行き方はいずれ「旅の役立ち情報」に書くとして
今回は現地の景色をお届けします。


パミール高原はタジク・アフガン・中国に拡がる広範囲の高原地帯ですが

高原といっても、熊本の阿蘇や長野の美ケ原のように
「緑が美しいなあ」
「あ、牛さんだ。可愛いなあ」
「そうだ、あとでソフトクリーム食べよっと」
などと言って、のんびりとリラックスして過ごすような場所ではありません。

パミール高原。
4000メートル超の高原に緑はわずかで、
その大半がむき出しの土、岩、礫となります。

希薄で張り詰めた空気、
生物の極端に少ない世界は、
私たちの活動環境とはかけ離れています。

ただそれ故に、
旅の醍醐味である「日常からの逸脱」
という感動が、
確実に得られる場所でもあります。

私はパミール高原の景色を、パミールハイウェイを通過しながら楽しみました。

パミール・ハイウィイは、
キルギス南部の町・オシュから、タジキスタンのムルガーブへ行く道で、
北から南へ、約10時間の移動となります。

このパミール・ハイウェイを通ることが、
パミール高原を観るのにもっともメジャーな楽しみ方です。

もし旅行者だけでジープを借り切れば、
好きな場所で止まって写真などを撮れます。

私はローカルの人々と行ったので、基本的に車窓からの
撮影となりました。

ではパミール・ハイウェイの景色、オシュからムルガーブまでを
動画を交えてどうぞ。

オシュ出発は朝の6時半。
P1030768_800.jpg
陽は昇って間もない。

今日も快晴。
オシュの町はすぐに終わり、風景から植物の姿が消えていく。
ときどき家畜を追う遊牧民とすれ違う。
P1030776_800.jpg



キルギスとタジクの国境付近の町はサリタシュだが
サリタシュの町はとても小さい。
そして国境は、サリタシュの町から数十キロも離れたところにある。
P1030817_800.jpg
ジープはひたすら無人の野を行く。

IMG_0285_800_20110920050136.jpg
途中、渓谷に入って遠くにはパミールの山々を臨むことができる。
5000メートルは越えようかという山脈に向かっていく。爽快だ。

ここらから、道の舗装が怪しくなってくる。
例えばこんな具合である。
P1030823_800.jpg
崩落しているにもほどがある。

ただ、こんなのは序の口。
時に道は完全に破壊されて、そんなときは道脇に突入する。
P1030821_800.jpg
私が乗ったのはジープだったから、この悪路も越えられる。
しかし、地元民はここを普通のセダンで走っていた。
やるもんである。

キルギスタンの国境は問題なく通過。
出国カードも税関申告もなにもなかった。

ここからタジク側のボーダーまでは、またしばらく走る。


一休み。
IMG_0315_800.jpg
荒涼とした土地の中、ときどきポツンと一軒立つ民家で
チャイと昼食をいただく(有料)。

昼食はナンとヨーグルト。
キルギスもタジクも、基本的に食事は質素である。

同乗者のの地元民たち。
IMG_0309_800.jpg
この人たちはただ乗り合わせただけで、お互い知り合いというわけではない。
しかし
食事のときは同乗していた女性が自然と給仕係となる。
男性陣は当たり前のように、無言で茶碗を突き出して(←かなり尊大に)
女性に給仕をさせる。

いわゆる「給仕は女の仕事」的な概念が根強く残っている
そういった印象である。

そもそもイスラム社会では、制度や風習のなかで
男女の区別(見る人によっては差別となる)が強くされている。

中央アジアはイスラム圏の中でも、イスラム的制約はとても緩いほうだが、
やはりその例に漏れないみたいだ。

ただ
思い返せば、
私の祖父母の代にもそんな雰囲気は残っていた。
「男はこう」「女はこう」というステレオタイプのアレである。
イスラム圏の男の威張りっぷりを見ていると
昔の日本もそんな状況だったのかなと、
そんな想像もしてしまう。

そして
日本のそんな状況が大きく変わったのはやはり、
戦争を挟んでからだと思う。

先の戦争は、
国のあり様を根底から変える大きな事件だった。

ではでは
今回の震災はどうだろう。

あれを機に、日本はどう変わるのだろうか、
あるいは、あまり変わらないのだろうか。

そして、日本があの震災で変わるのであれば
どう変わるべきだと国民は思っているのだろうか。
現在、日本でのそういった「時代の空気感」は、
いったいどんな感じなんでしょうか、みなさん。

と、パミールのランチタイムに、そんなことを考えてみる。
IMG_0311_800.jpg


さて、

食事を終えて外に出る。
自転車旅行者がいた。
タジキスタンではときどき、自転車旅行者とすれ違う。
(自転車旅行者はチャリダーと呼ばれる)

パミール高原やワハン回廊は、自転車旅行者の憧れの地だそうだ。

私としては「すげえなあ」と感心するとともに、
「ようやるなあ」と、呆れもする。

宿で、自転車旅行者にはよく会うので
「あなたがたは実際、マゾヒストなのですか」
と幾人かに聞いてみたところ、
「おおむねその傾向はあります」
との答えを得た。

それと、
「チャリダーはなぜかオカマの人にもてる。俺たちが必死で自転車を漕いでいる姿が、
庇護欲・母性本能のようなものをかきたてるみたいだ」
という意見も聞けた。
なるほど。
IMG_0274_800_20110920050136.jpg

さてさて、
ジープは何度目かの峠を超え、
高度は上がり、
標高はすでに4000メートルを超えている。
P1030827_800.jpg
標高が高いので、空気が希薄になっていく。
物体の全ての輪郭が細く鋭くなり、
存在は厳格さを増すが、しかし同時に、その存在感は薄いという、
なんとも不思議な感覚の風景である。


右手にカラ・コル湖が見えてくる。
高高度にある湖は、ミルクを混ぜたような緑色だ。


この湖畔には宿泊施設があるそうだ。
夜はさぞがし星が美しいことと思われる。
P1030842_800.jpg

ジープはパミール高原を行く。
峠がなくなり、あとは高度4000メートルの台地を行く。
絶景だ。
世界の屋根を走っているという実感が湧く。
P1030839_800.jpg

このパミール高原、
普段私たちが生活している場所からすれば、
はるか雲の上にあることになる。
そんな場所を走っている。
なんとも言えない高揚感がある。

南米でも高地は(さんざん)移動したが、
そこともやはり違う、パミール独特の景色である。
P1030853_800.jpg

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P1030858_800.jpg




ときどき遊牧民たちとすれ違う。
彼らはだいたい家畜を移動させている。
ここらは草が少ないので、頻繁に家畜を移動させる必要がある。

この場所で人が生活しているという、その事実は驚きだ。
彼らはこの厳しい環境からも、
自分と、その家族が生きていけるだけの
糧を得る。
その技術と受け継がれた知恵に感心する。

野犬がいる。
必死に生きようとしている。
犬たちは群れて羊を襲う。
羊飼いが木の棒でそれを追い払う。
P1030866_800.jpg
私たちのドライバーも
ジープを野犬の群れの中に突っ込ませ、
犬を追い払う。

いわゆる先進国と呼ばれる国には複雑で、
そしてシステマイズされた営みがある。
そこにも膨大な知恵がある。
ただ、こうした単純な生活様式にもまた違った類の
大きなインパクトを与えるものが多々ある。

そうしたことを体感できることも、旅の一つの側面だ。


ジープは高原を行き、目指すムルガーブの町に近づく。
時刻は午後4時半。陽はまだ高い。

午後5時
ムルガーブに到着
P1030881_800.jpg
所要時間は11時間。

ムルガーブは標高3600Mにある町なので
植物が極端に少ない。
土の色だけが目立つ。

近くの山も遠くの山も土肌が見えている。

電信柱だけが目立って立つ。

高台から眺めていると、痩せて裸にされた少年を見ているような、そんな気分になる。

そんな小さな町だ。
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IMG_0387_800.jpg


ここで一泊して、
翌日はまた高原を走って
西のホーローグに向かう。
そしてホーローグから、ワハン回廊に向かう予定である。


さてパミール・ハイウェイ。
世界の屋根と呼ぶのにふさわしい、独特の景観とインパクトでした。
しかしワハン回廊はそれよりも良いとみんな言う。

次回はそのワハン回廊の様子をお届けします。
では今回はこれで。
IMG_0422_640.jpg
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コメント

ワハン回廊は前から興味があったのよね。自分で行くにはアレだけどね。

URL | 札幌 ID:-

Re: タイトルなし

次の更新でワハン回廊アップするよ。
行ったつもりになれたら幸いです。

URL | 森たくや ID:-

パミールハイウェイすてきな写真と文章で堪能しました!!!
乗り合いジープもあるんですね~
次回のワハン回廊も楽しみに待ってます!!

URL | りゅうせい母 ID:tHX44QXM[ 編集 ]

おひさしぶりです

森卓也さん
覚えてますか?てるです。タジキスタンいいですね。俺らも移動大変でした。
ビシュケクは野菜とメロンがめちゃ安かったなあ。相変わらず60kgの荷物背負ってますか?これから西に向かうようですが楽しみですね。何かあればメール下さい。誰かみたいに美女にだまされてぼったくられないように気をつけてください。セカチョクチョクチョク見ているので楽しみにしてます。体に気をつけてね。

URL | てる ID:-

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