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森です

モスクワにて

ウズベキスタンのアラル海について書きます。

アラル海。

2000年代に入って干上がってしまい
消滅しかかっている海だ。

「海がひとつなくなる」
その事実を実感するため、
かつてアラル海の岸辺にあったかつて漁港、ムイナクへ行ってみた。

さて
アラル海の海岸沿いだった町・ムイナクへ行くにはまず
ヌクスという町へ行く。

ヌクスは「カラカルパクスタン共和国」の首都である。
?なにそれ?
?どこそれ?
という声が聞こえてくる。

カラカルパクスタンは、
ウズベキスタンのなかにある自治権をもった小国だ。

私もウズベキスタンに行くまでは詳しく知らなかった。
いまも詳しくは知らない。

ヌクスにはザビツキー美術館という
見どころを持つ、ウズベキスタンの
地方都市だ。
そういう認識でよし。

さてヌクスへは、
私の場合ウルゲンチ(ヒヴァの最寄り駅)から
バスで行った。

電車もあるが、便数が少ないので(毎日ない)
バスの方が便利である(バスは毎日ある)。


ウルゲンチ行きのバスターミナルは
ウルゲンチのスタジアムから徒歩10分ほどの場所にある。

こんな場所。
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そしてバスがこれ。
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迫力のあるバスだ。

「程よく」を通り越して、「徹底的」にボロい。
「快適さ」とは反対の極に存在する。
そんな気合いの入ったバスである。
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錆び、ガラスの曇り、シートのほつれと、ガソリンのにおい。
「旅情をそそる」という次元はすでに超えている。
スクラップ置き場に運んでも
「持って帰れ」と言われそうな逸品である。

それでももちろん、このバスは走る。

走るのだが、バスはなかなか出発しない

もともと9時出発だが
もちろんドライバーも、そして乗客も
そんな時間の約束は毛先ほども気にかけていない。

バスの存在意義(あるいはバス会社の存在意義)は運賃をもらって人を運ぶこと。
その意義が満たされるまでーつまりある程度人が集まるまでー待つ。

バスターミナルでバスを待つ。
それは空白の時間である。
宙ぶらりんである。

そしてそんな種類の時間があれば、
そこには必ず

「ひまわりの種」がある。

中国や中央アジアでは、
この「ひまわりの種」をよく見かける。
ひまわりの種は、時間の空白に出没する。
時間の空白があれば、ひまわりの種がその空白を埋めるわけだ。


もう本当に、みんなとにかく、ひまわりの種を食べる。
おいしいからじゃなく、
ひまわりの種を食べる行為に
病みつきになっている様子だ。

ひまわりの種を前歯で挟み、カリッとかじって中身を出して
ポリポリ噛んでプッと殻は捨てる。

あんたがた冬眠前のリスですか?
というくらい、みんな齧じ齧じやってる。

町角で、バス停で、車内で、時間の空白があればどこでもだ。

中国の夜行列車だと、みんな一心にひまわりの種を食べる。
まるでその行為が列車の動力にでもなるかのように
みんなひたすらひまわりの種をかじる。
そして朝になると、
床はひまわりの種で埋まっている。


人が集まり、宙ぶらりんの時間があるところには
ひまわりの種は存在するのだ。

さて
ムイナクへのバスはまだ出ない。
いつごろでるかもわからない。
こういったバスの待ち時間などは
ひまわりの種のために用意されたような時間である。

みんなカリカリやって
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自然、地面はこうなる。
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一面ひまわりの種の殻。

そしてその周りには無心にひまわりの種をカリカリやっている人々の姿、
それは考の停止の姿である。
ひまわりの種は時間の空白を埋め、
そして人々の思考を空白にするのだ。


つまり

膨大なひまわりの殻は、どれだけ不毛な
時間が費やされたかの、証左である。


実におそろしい食べ物である。

何もせずぼーーーーっとするのが苦手な日本人には
流行らない類の食べ物かもしれない。


さて

バスがひまわりの殻の海を踏みつけて
出発したのは10時だった。


ヌクスまでは10000スム(約300円)。

所要3時間。

ヌクスに到着。
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ヌクスでザビツキー美術館に行き(ここは見応えあり!)
そのまま一泊。
バザールP1040536_800.jpg

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食事。チキンスープとライス。
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翌朝9時のバスでムイナクへ行く。
バスはバザール横のバスターミナルから出る。
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9時の便のあとは、11時の便がある。
一日に数便出るそうだから、9時よりも早い便もあるかもしれない。

そしてここで要注意!

定刻9時出発のバスが、この日は8時45分に出発した。

客がそこそこ集まったんで、15分早めて出発してしまった。
それは帰りも同様で、

ムイナクからヌクスへは、定刻15時00分のバスがあるのだが、
このバスは14時45分に出発した!

念のために14時40分にバス停へ行ってたからよかったものの、
そうでなければ乗り過ごしてたところだ。
そしてそれがムイナク⇒ヌクスの最終バスというから、
乗り遅れたらムイナクで一泊決定である。


ムイナクにも宿はある。一軒だけ。
ベッドと水シャワーがあるだけの宿だそうだ。

ムイナクまでは6500スム(約200円)。

所要約3時間30分。

着きました
ムイナク。
IMG_3979_800.jpg
かつては潮の香りもしたこの町も
いまは砂埃ばかりが舞う。
さびれた町である。

ムイナク観光はただひとつ。
かつての海底にある船の博物館だ。

帰りのバスは3時。
時間は2時間。

海岸線まではタクシーを使う。
タクシーはバスを降りれば
声をかけくるドライバーがいるはずだ。


海岸線まで2000スム。
私はそれで乗ったが
値切ればたぶん1000スムまでは落とせる。

参考までに、
乗りあいタクシーだと一人500スム。

そしてかつてのアラル海、船の博物館前までは5分
徒歩で30分だろうか。

そしてついた。

ここがかつてのアラル海。
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見渡す限りの砂漠である。
完全に干上がっている。

波の音も、潮の香りもここが海だったどんな名残もない。

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「ああ、アラル海よ、なんとアラルもない姿になってしまったことか。。」


・・・・

・・・・


さて

船の博物館を観よう。

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博物館といっても、かつての海底に船が放置されているだけだ。
昔日、この海を走っていた漁船などがそこにある。

それだけだが、ここはけっこう面白い。
遺跡を歩くような楽しみ方ができる。

では階段を下りて、船を観よう。
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海底に降りて振り向けば、かつての海岸線がはっきりとわかる。
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船の墓場は静かで、ときどき風の音がするだけだ。
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船は無言で横たわっている。
そこから何を聴き取るのかは、訪れた人しだいだ。
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アラル海が消えた要因は人為的なものである。

アラル海へ注ぎ込む川は人々の生活用水であり、

アラル海周辺の人口が増えれば、水の使用も増え、
そしてアラル海へそそぐ水は減っていった。

そして海は干上がったわけである。

消えたアラル海は、人間の業の現れだ。

人は失って初めて、それの大切さを知り、

現在はアラル海をもとの姿に戻す努力がされている。

アラル海を取り戻した時には、
それは人間が、
自分たちの業に翻弄されるだけの
存在ではないことの証となるだろう。

この地に、新しい船が浮かぶ日はくるだろうか。

今回はこれで。
では。
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コメント

いやぁ、今回もイイねぇ。高1の地理の授業で「アムダリア川とシルダリア川が流れこんでいる」なんてなことをね、勉強したもんですよ。昔、覚えたことって、忘れないもんだねぇ。

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