森です

今回は旅人のための情報。

中央アジア国境越え情報です。

なにかと面倒と良くない噂が多い
中央アジアの国境越えですが、
実際のとこどうだったのか、
私の場合を書いておきます。

とくにウズベキスタンの出入国は
私が経験した中でも最悪の越境だったので
旅人じゃない人も読むとおもしろいかも。

さて

まずはキルギスタン→タジキスタン

私はウルムチから空路で入国しました

入国審査に面倒はなし。
すいすい通過できます。

税関申告ですが、

3000ドル以上の現金を持っていると申告しなさい
と、壁の用紙には明記されています。

なので、用紙に記入して申告したのですが、
「その必要はないわ」と税関職員にあっさりいなされました。

しかし、出国のときにそれをネタに
「現金3000ドル以上持ってるのに、税関申告書がないじゃないか」
と、悪徳警官にゆすられることもあるかもしれない。
という疑心があるので、
申告した証拠のスタンプをねだります。

しかし、

「大丈夫。必要ないわ」
と、とりあってもらえません。

そして30分の説得。
最終的に、
「申請したいっていう人間をいったい、どうして断るんだよ」
と詰め寄ってからやっと、スタンプをもらいました。


そしてキルギス出国ですが
私の場合はタジキスタン方面、
南東部のサリタシュから南に数十キロの国境でした。

渓谷にある国境、通行量は極端に少ない場所です。

軍人さんが入出国審査をします。
タクシーのドライバーが乗客のパスポートを
まとめて持って行って、20分ほどしてから
戻ってきました。
出国カードも税関申告もなし。


そこからまたパミールの山を走り
峠のてっぺんに
今度はタジキスタンの入国管理所があります。
軍の警備施設みたいな佇まい。
ここでもまた軍人が応対。

車から降りて入国書類を書いて提出。
ここもスムーズに通過。
「税関申告は?」と一応聞いてみましたが
「必要ねえ」
という答えでした。


タジキスタン→ウズベキスタン

私のこれまでの旅のなかでもっとも面倒で
そして腹が立った越境
がここです。

パンジャケントとサマルカンドの国境は
閉まっています(2011、8月31日現在)
ウズベクとタジクは仲が悪く、
ウズベク側が嫌がらせで閉めています。

旅人は南部の国境を使わなければいけません。


タジキスタンのドゥシャンベから
バスとタクシーでレーガルという国境の町へ
レーガルからさらにタクシーで国境へ。

そしてタジクキスタン出国
P1040338_800.jpg

越境者は私一人。
入国管理官は軍人です。
しかし係員不在でしばらく待つ。

どこからか軍人が戻ってきて、私を招き入れる。

パスポートを渡すと彼はおもむろに
「な?」
と、指を擦り合わせて、ウィンクしてきます。
賄賂の要求です。

とてもライトな感覚でやってきます。

本気半分、ダメ元という感じです。
もちろん、
「やだよ(ノー)」と答えます。
「いいじゃん」と軍人さんは首を縦にふって賄賂を促してきます。
「やだったら」とこちらは首をふります。
「いいだろ?」
「やだよ」
「なあ」
「やだ」
「頼むぜ」
と私と彼で、首を縦と横のふりあいです。
その様子が滑稽で私が苦笑いすると、彼も同じように笑います。

ただ賄賂を払うつもりはないので、
最終的に
「ニエット」
とロシア語でダメ押ししたら、
軍人さんは首をすくめてスタンプを押しました。

こちらの応対を見て、あわよくばという
イージーな感覚の賄賂要求です。


そして面倒だったのはウズベキスタン側。
P1040341_800.jpg

ウズベクでは所持金のすべてを税関申告しなければ
いけません。
多かったり少なかったりするとそれをネタに
罰金をとられるとか。
ゆすられるとか。

そして検査と称して財布をチェックして
こっそりと金を抜き取る輩もいるとか。

越境者が多い国境では、検査はゆるいそうですが
運悪くその国境の越境者は私ひとりでした。

不備がないよう(付け入る隙がないように)
正確な金額を記入します。
ただ、旅の途中で余った数カ国の通貨を持っているので
記入も大変です。

そして提出。
中年の検査官は、少し神経質そうな
マシュー・ブロデリック似の軍人。

まずは談笑してきます。
ちなみに彼は英語を解しません。
コミュニケートにもひと苦労です。

いま何歳だ、嫁はいるのか?子供は?
お前の歳ならふつう子供は3人いるぞ。
などなど、どうでもいい話が延々と続きます。


そして30分くらいたってから
「よし、荷物チェックするぞ、全部だせ」
と、指示します。
「全部?」
「全部だよ」
しぶってみせたが効果なし
パッキングした荷物をテーブルに全部出します。

ただ、外に出した荷を調べる気配がありません。
ただ荷物をださせただけ、
本人は机でぼんやりしています。

いくら待っても調べる気配がないので、
若いマッチョな軍人(彼は少し英語が話せる)に聞く
「あんたの上司、いったい何を調べたいの?」
「さあ・・・」
と若い軍人は困り顔。

ふと、これも一種の賄賂の要求なのかなと、そんな考えが頭に浮かぶ。

タジキスタンではタクシードライバーが
検問の警官にしょっちゅう賄賂をわたしていた。
そうしないと、警官は
嫌がらせで、無駄に時間をかけてチェックをするそうだ。

これもその類なのか?

「よし、金をチェックする」
と、しばらくして検査員がそう言う。

私は現金をもって見せる。
「日本円を見せてみろ」
と言うので、5000円札を一枚渡す

職員は札を天井のライトにかざして、長々と検めている。
「いったいお前に日本円の何がわかる?」と、
激しく突っ込みたくて仕方がなかった
異国の入国審査所でのこと、我慢だ。我慢。

「そっちの札束を見せてみろ」
と審査官は私の現金に手を伸ばしてくるので
渡してはならんと、札を自分の手で広げて見せる。
「どれ」
と審査官はそれを掴もうとする

「俺の金に触んなよ」
私は手を引っ込めて、
「金額を確かめるなら、俺があんたの眼の前で数えるから」
と言って若い軍人に訳すように促す。

職員はなにか怒鳴って、金に手を伸ばしてくる。
「だから触んなって」
と、私も声を大きくする。
「怒らないでくれよ、まずいよ」
と、若い軍人が心配そうにとりなす。
彼はとてもナイスガイである。

検査官が「日本円は何ドルだ」と聞いてくるから、
私が1ドル≒80円だと説明しようとすると
「だまれ!」
と、なぜか机を叩いて威圧してくる。

わけがわからん。

検査官はまるで、チャップリンの「独裁者」然とした興奮の仕方である。

だから、「1ドル≒80円・・・」
「だまれ!だまれ!」
と彼は机を叩く。

私は肩をすくめて若い軍人を見る。
「なあ、このおっさん何か欲しい物(金)でもあるのか?」
と聞いてみたところ
「・・・・」
と彼はギュッと口を閉じて応えない。

そのあと若い軍人がなにやら説明(説得?)して、
ようやく検査官は書類を作り始めた。

このときすでに、
1時間半ほどの時間が経っている
ほかの越境者の姿はない。

私の荷物は拡げっぱなしである。

「なあ、荷物しまっていいか?」
いらついてきた私が、怒りを交えた声で言う。
「まて、チェックする」
と言って立ちあがると、検査官は警棒で私の荷をつついたり
ひっくりかえしたりするだけで、
荷の中身は見ない。
説明も求めてこない。
「よし、しまっていいぞ」

なんじゃそら。

呆れてしまい、怒りを態度に現わして荷をしまう。
「怒ってるのかと、彼が訊いているが・・」
と、若い軍人が心配そうに通訳してくる。

私は言いたいことがたくさんあったが、
検査員を睨むだけで、パッキングしなおす。

そのあと30分して
ようやくスタンプのはいった税関申告書をもらい
晴れて入国。

と、思いきや

新しく、マリオのような髭をはやした位の高いオフィサーが入ってきた。

彼は尊大な態度で
「ん?旅行者か。よし、荷物チェックするぞ。全部出せ
と怒鳴る。

嘘だろ!
と思っていたら
さすがに若い軍人が
「いま全部だして、調べたばかりですよ!」
と慌ててとりなしてくれた。

「むむむ・・・」
とマリオ髭のオフィサーはうなると
「では、X線検査をする!スイッチオン!
と叫ぶ。
しかしX線の機械が不調で作動しない。

「なにやっとるかー!」
オフィサーが機械担当員を怒鳴りつけているすきに、
「もう行っていいよ」
と、若い軍人が私を外へ促してくれた。

審査開始から2時間。
やっと解放される。

と、思いきや、

最初の神経質そうな審査官が近づいてきて
「おまえ、薬持ってきてるか、日本の」と訊いてくる。
「持ってるよ。胃腸のやつとか、風邪薬とか」
よし、それを調べるぞ、戻れ!
「なに!?なんでさっきそれをチェックしなかったんだよ、あんた!」
建物の外でそんな問答をしていると
マリオの髭のオフィサーが駆けだしてきて、
「おい!おまえ!もう一台の機械が作動したぞ!戻ってチェックだ!」
と一喝してくる。

上官の命令が優先なので、私はそちらへ
X線に荷を通しながら
「なあ、薬のチェックってなに?」と、若い軍人に訊くが、
「俺にもわからん・・」
と若い軍人も呆れている様子。

X線チェックはあっさりとしたものだ。
検めるとというより、
ただ言い出したから是が非でもX線に通したかった
といった感じだ。

X線検査が終わる。
別の検査員に見つかったら面倒なので、
早足で外へ
「行ってもいいよね?」
「いいよいいよ。気をつけてな」
と、若い軍人に見送られ、ようやく入国。

実にカフカ的な入国管理所で、
ストレス満載の入国だった。

しかし、

ウズベキスタンは出国もひどかった。

私はタシケントからカザフスタンのシムケントへ
越境したが

この国境は混雑がすさまじい。

ローカルの人が山のように入り口の柵にたかり
押し合いへしあい、少しでも人より先へと
柵はに向かって体をねじ込んでいく。

係員がたまに柵をあけて数人、中に通すわけだが
別の柵からスイスイと入館する人たちもいる。

賄賂を支払った人たちである。

私も入管に着いたときスタッフから開口一番
「20ドル払ったら先に通してやるぜ」
ともちかけられた。

堂々たる賄賂要求である。
まるでそれが正当な職権でもあるかのような堂々さだ。

「やだよ」と賄賂を断ると
「じゃあ向こういきな」
と、人だかりの方へ追いやられる。

この人だかりはすごい。
午前7時45分の中央線東京行きよりもすごい。

秩序などない。
ただ殺到するだけだ。

ときどき人が倒れて、悲鳴が聞こえる。

1時間ほど耐えても中に入れず、
英語で文句を言ったらしぶしぶ中に招きいれてくれた。

さて
建物の中も長蛇の列だ。

なぜなら、出国スタンプを押す係員が
気分次第で席を外すからだ。

疲れたら席を立って、お茶を飲んだり、他の係員と世間話をする。
「仕事しろ」
と怒鳴りつけてやりたい。

結局ここでも1時間待つ。
列の左右からじゃんじゃん割り込んできて、ストレスがたまる。

「ウズベキスタンではこれが問題になってるのよね」
と、この混乱を前に片言の英語でため息をついてみせた女性がいたが、
「そう言うあんたもたったいま、俺の前に割り込んだだろーが」
と文句を言っても平然としている。

溜息をつきたいのはこっちだ。

あの国境のことを思い出すと、
正直、ウズベキスタンには行きたくなくなってしまう。

国境は国の表看板のようなものだ。
国境での混乱は、国にとってかなりマイナスイメージになるから、
是正したほうがいいと思うのだが。

さて一方
カザフスタンの入国は、ごく簡単だった。

現金1万ドル以上(TCなども含む)あればそれを申告。
それと、パソコンやカメラなど高価なものも申告。

しかし、
「パソコンとカメラ入ってるけど、申告した方がいい?」
と訊いたら
「ああ、しなくていいよ」
と、言われた。

ウズベキスタン出国ではあれほど無秩序だった越境者たちが
ここではちゃんと一列に並んで入国していく。
不思議だ。
係員も紳士的とてもだった。

例えば、
カザフスタンでは入国カードにスタンプが二つあると
滞在登録(レギストラーツィア)が済んだことになるが、
私の入国カードには一つしか押されていなかった。

二つ押して欲しいと言うと
「空路ではスタンプを二つ押すけど
陸路での入国では、スタンプはひとつなんだ。
もし君が5日以上カザフスタンにいるつもりなら、
滞在している町のオヴィール(管理所みたいなものか)で
スタンプをもらってほしい」
と、とても丁寧に説明してくれた。

最後に、
「俺の英語は下手でごめんな」
とまで言ってくれた。

ウズベキスタンとは大違いである。
文明の香りがする。

そして
カザフスタン出国は、
アルマティ⇒ビシュケク間だったが、
そのときも、とくに税関申告は必要なかった。

スムーズに出国。

陸路でのキルギス入国も、
空路と同じく、とてもスムーズ。

私が行った中央アジアでは、
ただウズベキスタンの出入国だけが
激しく面倒
であった。

心してかかってください。

では今回はこれで。
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