森です

アメリカからアジアに渡りました。
日本でゆっくりしています。

今回はアフリカの南西部
95ヶ国目の訪問国ナミビア
「Welwitschia(ウェルウィッチア)」という奇怪な植物です。

ウェルウィッチアを観るにはまず、
ナミビアの西部、大西洋沿いにある町
「Swakopmund(スワコップムント)」へ行きます。
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そこでレンタカーを借りて
ウェルウィッチアが生息する場所へ行きます。
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荒地の中を進んで、
「月面世界」ムーンランドスケープを過ぎた後に
ウェルウィッチアの生息場所に入ります。
(この辺りへ行く際は入域許可証が必要です。観光局でとれます)
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荒野の中にある植物はわずかです。
その中にウェルウィッチアがいました。
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これです
くたっとしたのがWelwitschiaウェルウィッチアです。
まるで煮すぎて鍋の壁にはりついた長ネギのようです。
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ここにいるウェルウィッチアはまだ子供です。
といっても500年は生きていますが。

車を降りて近よってみます。
少し成長したものになると
「これ触れるべからず」と岩で囲われています。
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このレベルで1000年近く生きています。

それ以外のものはきっと触っていいんだろうと判断して
ウェルウィッチアに触れます。
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瑞々しさはなくパサついています。
肉厚で、愛想のない感触です。
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過酷な環境にいるのでそれも仕方ない気がします。

さて
どんな生物も1000年生きたら
知恵がつくものではないでしょうか。

試しに「ピーチネクターが飲みたいか」
ときいてみました。
水がほとんどないこの土地です。
おいしいジュースなんて飲んだらとても感動するはずです。

でも答えはありませんでした。

「何が楽しくて生きているのか」
ときいてみました。

やはり答えはありません。
何かに耐えて、ただじっとしています。
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そんなウェルウィッチアをしばし眺めたあと、先へ進みます。
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ウェルウィッチアが散存する平野を行きます。
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その先にウェルウィッチアの親分がいました。

これです。
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巨大です
フェンスに囲まれていて
明らかに特別扱いです。
私だってこんなに手厚く守られたことはありません。

それもそのはずです。
このウェルウィッチアさんは、なんと2000年以上生きています。

2000年です
つまりイエス・キリストが生まれた頃からここにいたわけです。

イエスがベツレヘムで生まれて
ナザレで育ち、ガレリア湖畔で布教を生活して
エルサレムで磔刑にされたときも、
この植物はここでじっと、育っていました。
それから2000年間、この植物はここでひっそりと
息づいていたわけです。

ローマ帝国が繁栄して
中国で三国時代が訪れて
マホメットがイスラム教を啓いて
紙が発明されたり、
アンコールワットが建設されたり、
インカ帝国が強勢を誇ったり、
モンゴル軍が大陸を席巻したり、

シュークスピアが数多くの劇作を著し
ガリレオが「それでも・・」と呟き
ヨーロッパ諸国が植民地争いをして

モーツァルトが活躍して
フランスで革命が起こり
マルクスが資本論を発表して
巨大な二つの世界大戦が起こっている間も

この植物はこうしてずっと
ここで生きていたわけです。

壮大な生物です。

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さて
もちろんウェルウィッチアの生の営みは続いています。

ここらには新しく芽吹いたウェルウィッチアもいます。
それらはこの2000年後もまだ生きているはずです。

現在、
この地上にいる人類が誰一人として見ることのない
2000年後の未来を、
ウェルウィッチアは見るわけです。

2000年後に
私のような旅人がここにやってくるでしょう。
彼らはウェルウィッチアを見て何を思うでしょう。
私がここで彼のことを思っているように
彼も私のことを思うでしょうか。

旅をしていると時々
こうした交わるのことのない二つの時代のことを
想うときがあります。

そういった想いはとてもロマンティックであり
同時に
私たち人間の儚さを感じで寂しくもなります。
そしてそれはとても旅人らしい感傷です。

こうした感傷に浸るのも、
旅の醍醐味かもしれません。

以上
ナミビアで出会った
「2000年生きる怪植物」ウェルウィッチアでした。

次回は無数のオットセイのいるケープクロスと
死の海岸、「骸骨海岸(スケルトンコースト)」をお届けします。

では。
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